手指の細菌をチェックしてみよう

 標準寒天培地を使って自分の手指の生菌数を調べてみよう。標準寒天培地は酵母エキス0.25%、ペプトン0.5%、ブドウ糖0.1%、寒天1.5%の組成で、あらゆる食品の汚染指標を調べる目的で使われます。出現する微生物は中温性好気性の細菌で、酸素を嫌う嫌気性菌や栄養要求の高い乳酸菌などは検出されにくい培地です。

 右のシャーレは庭の土いじりをしてタオルで土を払った指についていた細菌です。滅菌した標準寒天培地をシャーレに流して固めて放置し、表面の水がなくなってから人差し指、中指、薬指を培地に軽く押し付けて培養しました。土壌1gに数億の細菌がいるといわれるようにタオルで払ったぐらいでは取り切れない細菌がいます。コロニーの形が違うものは違った細菌です。小さな点に見えるもの、大きく広がったもの違う種類の細菌です。

 左のシャーレは手を水道水で洗ってからアルコール噴霧した指ですが、いくつかの細菌のコロニーが見えます。指のしわの間に隠れていてアルコール消毒では死ななかった細菌です。石鹸をつけてしっかりと洗えばより少なくなったと思います。なお、シャーレの上部に生じたコロニーはコンタミ、作業中に環境にいた細菌がまぎれこんだものです。

 微生物を取り扱うときは手を良く洗いましょう。